水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

2025-12-16から1日間の記事一覧

代役アンドロイド -225-

『忘れものなんです…』 沙耶は手に持った手弁当の布包みを示した。「あっ! そうでしたか…。ちょっと待って下さい。今、内線入れますので」 老ガードマンの矢車は机上の受話器を手にし、「山盛さんとこは102だな…」と呟くと、慣れた手つきでボタンを押し…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -325-

その岩口の弱点につけ込んだのが枉神(まがかみ)だった。岩口の心理的なトラウマが枉神の霊力を潜ませる隙(すき)を作ったのである。『おお! これはどうしたことだ。岩口の心が見え始めたぞ…』 枉神は突然、湧いたようなチャンスに喜んだ。『如何(いかが)され…

代役アンドロイド -224-

走る方向は一瞬で変化した。もちろん、保がいる山盛研究所に向かってである。沙耶は漁村のボランティアへ行かねばならない…と思考回路が命じていたものを非常退避行動プログラムに切り替えていたから、急いでいた。で、保が禁じていた時速300Km以上の走…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -324-

「んっ!?」 岩口は正常に戻った体調に、ふと、自分の周囲に迫る三竦(さんすく)みを崩す枉事(まがごと)を感じた。『骨太(ほねぶと)神社と家族を守らねば…』 これが岩口が思った直観である。「課長、身体の震えが止まられましたね…」 身近にデスクを置く鉄棒…

代役アンドロイド -223-

『スクランブルでいい?』「…ああ」 毎朝のことだから、ポーチドでもスクランブルでも目玉焼きでもいいんだ…と、保はまだ起きれない目を瞑(つむ)りながら眠たく思った。だが、この瞬間も沙耶は律義にも自分のために家事をし、その後、保を送り出してからボ…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -323-

枉命(まがみこと)は枉神(まがかみ)がテレバシーで送ったダジャレに思わず苦笑した。ダジャレを言ってるときですかっ! と一瞬、怒れた訳である。『このまま続けるのですか? どうぞ…』『神々が全てをご存知となれば、我らの枉事(まがごと)は不首尾に終わるで…