水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

代役アンドロイド -135-

『汚いわねっ!』「えっ?! なにが?」 後藤は意味が分からない。『見えない? 飛び散ってるでしょ、不潔よ、フ・ケ・ツ!』 沙耶以外の者はその言葉で辺りを見回したが、何も見えない。山盛教授は大笑いした。沙耶はギャグを言ったつもりではなく、視線に…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -235-

『おお、そうかっ! して、どのような動きじゃ? どうぞ…』『どうも、よからぬ枉事(まがごと)を考えおる由にござりまするぅ~、どうぞ…』『よからぬ枉事とな? どうぞ…』『はい、さようにござりまするぅ~、どうぞ…』『詳しく申せ、どうぞ…』『実は、アアし…

代役アンドロイド  -134-

スピードについては、左右前後感知センサーの働きによって速度変化した。もちろん、自動変速である。マスコミに公表され、広く一般社会に知られれば、道路交通法によって自転車並みの規制がかかることは必定だった。ことによれば、新たな規制条項が追加され…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -234-

枉神(まがかみ)は枉命(まがみこと)の粗忽さを嘆いた。しかし今更、手先の人事を変える訳にはいかにない。神様の世界にも人事があるようです。^^『さてと…。おお、そうじゃったっ!!』 怒ることで思い出すこともあるようだ。すっかり忘れていた心に浮かん…

代役アンドロイド -133-

『はいっ!』 沙耶の素直な返事は人間的で、若い女性としては、なんの違和感もなかった。保は両脚のスイッチをONにした。「よし! とりあえず何周か回ってくれ。あとは君の自由に任せる!」「分かりましたっ!」 答えると同時に保は動き出した。最初の一、…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -233-

『なるほど…、岩口さんは魚の定食が好きなんだな…』 二人の遣り取りを傍近くで聴いていた枉命(まがみこと)はひと声、呟いた。無論、その声が二人に届くはずはない。枉命は、さっそく枉神(まがかみ)にテレパシーを送ることにした。『枉神様、枉神様、どうぞ……

代役アンドロイド -132-

「なにぶん、機械マニアだもんで…。ここへは来るな、って言っておいたんですが…」「まあ、いいじゃないか…」 但馬も右へ習え、で教授に従った。梱包(こんぽう)を解いて、自動補足機を出しながら後藤が振り返った。「教授、岸田君に渡しますか?」「ああ、…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -232-

「おばちゃん、いつものA定は?」「悪いね、岩口さん。今日は魚が入らなかったんですよ…」 食堂の賄婦をしている顔馴染の笠茸恵子が岩口に言い訳をした。「何かあったんですか?」「いつも入荷してくれる運送トラックが道路渋滞で今日は無理だって言ってき…

代役アンドロイド -131-

沙耶は間違ったことを言ってないから、保はまた返せなかった。それを見ていた山盛教授が二人の間に割って入った。「この前のお嬢さんですか。確か…岸田君の…」『はい、従兄妹(いとこ)です』「ええ、でしたよね」『間違いなく…』 沙耶が念を押した。正確さ…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -231-

『そうか…。岩口は数に弱いのだな、どうぞ…』『断定は出来ませんが、どうもそのようで。どうぞ…』『分かった。とにかくそのまま見張りを続けよ。何か良き策を考えてみよう、どうぞ…』 良き策とは良い策ではなく、悪さの枉事(まがごと)である。^^『ははっ!…

代役アンドロイド -130-

体育館の駐車場に車は横付けされ、停車した。辺りには人っ子ひとりいなかった。…と、その時点では思えた。三人が分担し、機材の荷と梱包した自動補足機を持ち体育館に入った。山盛教授だけは白衣のポケットに両手を突っ込み、泰然自若として進む。四人が体育…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -230-

その様子は逐一、枉命(まがみこと)によって見張られていた。いわば、刑事組織で見られる潜入捜査である。ただ、警察の刑事さん達とは違い、枉神関係の存在ですから見つかる心配がないのは便利ですね。^^『なるほど、岩口さんは数値データに弱いんだな…。も…

代役アンドロイド -129-

「教授、完成すれば、発表なさるんですか?」 車中でアフロヘアーの後藤が突然、訊(たず)ねた。「んっ? …それなんだよ。君達は、どう思うかね。私ゃ、マスコミ対応で疲れそうだから、どうも気が進まんのだよ…」 テンションを下げ、山盛教授が少し声を小さ…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -229-

『分かりました。このまま店へ戻ります、どうぞ…』『はい、そうして下さい。ご足労をおかけしました、申し訳ありません…』『いいえ…』 列車に揺られながら枉命(まがみこと)とのテレパシーによる通信が途絶えると、黒原はそのまま黒原神具店への帰途に着いた…

代役アンドロイド -128-

「あっ! すみません!」 ふと、記憶が甦(よみがえ)った。保は、ついうっかり忘れてしまっていた。すべては管理人の藤崎と怪獣長左衛門に原因があるように思えた。 「君にしては珍しいじゃないか。何かあったのかね?」 「えっ? ええ…。実はマンション管…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -228-

『では、任せたぞっ! ただちに岩口の職場へ潜入しろっ! どうぞ…』『ははっ!』 言い終わるが早いか、枉命(まがみこと)は骨太(ほねぶと)神社からスゥ~っと上戸町役場へと瞬間移動した。人間の異動と違い、霊動は早くて便利なんですねぇ~!^^ 上戸町役場…

代役アンドロイド -127-

「いや、ほんとなんです。田舎の伯父(おじ)の一人娘なんです」「なにも嘘ては言っておらんですよ。そうやったですか…。なんか事情でん、お有りなんね?」「はあ、ちょっとした…」「他人の私が、お訊きしても、しょんなかことです。別に気にしとらんですか…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -227-

『ともかく、その方向で考えてみることにしよう…』『どの方向でございますか? どうぞ…』『いちいちゴチャゴチャと小五月蠅(こうるさ)い奴じゃ! 今、その算段を考えておるのところではないかっ! 静かに待っておれっ! どうぞっ!』 枉神(まがかみ)は枉命(…

代役アンドロイド -126-

それにしても、16階の106号室である。この1と6は藤崎自身の拘(こだわ)りなのか、あるいは偶然が単に重なった結果なのか…と、持参するたびに保は思えていた。 居室前のチャイムボタンを押して呼び出すと、しばらくしてドアが開いた。事情があって今…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -226-

『さようでございます。岩口は上戸町の町役場に勤めております、どうぞ…』『それで? どうぞ…』『仕事上の弱点があれば、そこを攻めるのでございます。どうぞ…』『攻めて如何するのじゃ? どうぞ…』『仕事が負担になれば、それが生活に響くのは必定かと。ど…

代役アンドロイド -125-

『そう。長左衛門は私を若い娘と思っているから…』「ああ、そうだったな。何か、いい策はあるか?」『大丈夫。すべては私に任せておいて…』 沙耶は自信あり気に言ってのけた。怪獣長左衛門がマンションへ上陸した場合の対応は、すでに沙耶のプログラムの中で…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -225-

『そなたが申すとおりじゃ。儂(わし)としては少し考えが稚拙(ちせつ)じゃったかのう、どうぞ…』『いえ、決してそのような、どうぞ…』『急いでおるようじゃのう。何かそなたに妙案などあるかな? どうぞ…』 枉神(まがかみ)は枉命(まがみこと)に下駄を預けた。…

代役アンドロイド -124-

それは、沙耶の定義づけが三つのパターンに分かれているということだった。長左衛門には彼女、マンション管理人の藤崎には妹、そして研究室の三人には従兄妹と言ってある。これがショートして、三者の内の二者が出食わす場面になったときを考えれば…と、保は…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -224-

『枉神(まがかみ)様、枉神様、どうぞ…』 焦(じ)れた枉命(まがみこと)は、ついに待ちきれず、枉神にテレパシー送った。『ああ、儂(わし)じゃ、どうぞ…』『枉神様、そろそろ如何でしょう?』『いや、それがな…。まだよい策が浮かばんのじゃ、どうぞ…』『それは…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -224-

『枉神(まがかみ)様、枉神様、どうぞ…』 焦(じ)れた枉命(まがみこと)は、ついに待ちきれず、枉神にテレパシー送った。『ああ、儂(わし)じゃ、どうぞ…』『枉神様、そろそろ如何でしょう?』『いや、それがな…。まだよい策が浮かばんのじゃ、どうぞ…』『それは…

代役アンドロイド  -123-

『帰られたようね…。どうしようかと思ったわ』 保が振り向くと、すぐ後ろに、いつ現れたのか沙耶が立っていた。「沙耶のことは妹と言ってあるから、今日から俺の妹だ。奈々と二人か…」『ああ、妹さんがいるって言ってたわね』「そう。遠い田舎だけどな」『怪…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -223-

というのも、神の鳥が嘴(くちばし)に銜(くわ)える神幣(かみぬさ)により、枉神(まがかみ)の思考力は半減させられていたのである。そのことは天常立(あめのとこたちの)神以外は知る由もなかった。所謂(いわゆる)、神通力と言われる目に見えない神業(かみわざ)…

代役アンドロイド  -122-

「ああ、それと…。岸田さん、どちらかとお住まいなんね? いえね、お家賃さえ払っていただければ、私はそれでよかですが…。マンションの五月蠅(うるさ)か住人が、あることなかこと話してるのを小耳に挟(はさ)んだもんで…」「そうでしたか。はい、確かに……

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -222-

<〇陣営> 骨太神社の神々[紙々]→岩口[石]→切川[善の鋏] <●陣営> 枉神(まがかみ)[悪の鋏]、枉命(まがみこと)[枉神の手先]→枉神に憑依された黒原)[枉命の手先] この両陣営に分かれての戦いが見えない所で形を変えて行われようとしていた。攻撃のときは見え…

代役アンドロイド -121-

今の…、ちょっと、人間っぽくなかったな・・と思えたが、保は、まっ! いいか…と無視することにした。壮大な考えは、ひとまず自分の記憶にとどめ、とりあえずは沙耶の今後を見極めながら暮そう…と保はテンションの昂(たかぶ)りを抑えた。そのとき、玄関の…