2025-11-12から1日間の記事一覧
「これ里彩! 慎(つつし)みなさい!」「だって、おじいちゃまがくれた都昆布以外、お昼から何も食べてないもん…」「すみませんなあ~。両親の躾(しつけ)に、どうも不手際(ぎわ)が…」『いいんですよ、おじいさま。子供は天真爛漫(らんまん)ですから……
岩口が瞬間、思ったのは、かつてのトラウマ的な発想だった。骨太(ほねぶと)神社と岩口家に降りかかる三竦(さんすく)みを崩す何らかの呪縛である。設楽が倒れて緊急搬送で病院へ担ぎ込まれたのも、その発想どおりなら説明がつく 。しかも、設楽がどこも悪くな…
『数時間、顔を合わせするだけのお付き合いですから、御期待に応(こた)えられるかどうか、存じませんが…』 上手いこと言う…と、保は思った。沙耶は暗に深い関係でないことを長左衛門に宣言したのである。「んっ?! ああ…左様か。いやいや、そうなのでしょ…
上戸町役場に救急車がサイレンを響かせて到着したのは、その十分ほどしてからだった。 設楽(しだら)はストレッチャ-に乗せられ、救急指定の上戸町立病院へ緊急搬送された。設楽の意識が回復したのは、それから小一時間が経過していた。無論、岩口も付き添っ…
保は、こうした一連の沙耶の行動を、ただ無言で見続けた。沙耶は和間へ入っていった。「娘御は、どこへお勤めなのかのう?」“あっ! それ? …〝 コンピュータの弱点はデータにない予想外の事象である。その問いかけが長左衛門の口から飛び出した。だが、沙耶…
テレパシーによる送信を終えた神の鳥だったが、このまま神幣(かみぬさ)を嘴(くちばし)に銜(くわ)えているのは少し辛いなあ…と思った。傍に置くというのも憚(はばか)られたが、今、テレパシーによる送信を終えたばかりだから、どうしたらよいかを天常立(あめ…
里彩(りさ)や長左衛門の出方次第で、態度を変化させる即応行動の幾つかである。「里彩ちゃん、学校は大丈夫なのか?」 保は、かわすべく話題を転じて、明るく訊(たず)ねた。里彩がじっと沙耶を見つめていたから、こりゃヤバいぞ…と、思えたからだ。「う…
『そろそろ神の鳥から情報が齎(もたら)されましょう。お楽しみに…』『まあ、嫌ですわ、天常立(あめのとこたち)様。私達がこの地で暮らせるかがかかっているのですから、楽しむ気分などでは…』 比売(ひめの)神が苦言を申された。『いや、これは私としたことが…