テレパシーによる送信を終えた神の鳥だったが、このまま神幣(かみぬさ)を嘴(くちばし)に銜(くわ)えているのは少し辛いなあ…と思った。傍に置くというのも憚(はばか)られたが、今、テレパシーによる送信を終えたばかりだから、どうしたらよいかを天常立(あめのとこたちの)神に問うのもいかがなものか…と神の鳥には思えたから、翼(つばさ)と身体の間に挟(はさ)むことにした。
『まあ、いいだろう…』
少し考えた挙句、神の鳥は嘴に銜えていた神幣を翼と身体の間に挟んで収納した。この独断の判断がいけなかった。神幣を翼の間に収納することで、神幣の光り輝く霊力が閉ざされたのである。
ここは岩口と設楽(しだら)が話す部長室である。
「んっ!? 少し頭が痛い。板付き蒲鉾…」
設楽が顳顬(こめかみ)を抑えながら目を閉じた。
「大丈夫ですか、部長っ!!」
岩口は、こんなときにもダジャレか…と、設楽の余裕に少し驚きながら部長席へ駆け寄った。
「だ、大丈夫だ、ダチョウの足…」
そう返した設楽だったが、そのまま上半身をデスクヘ崩れるように倒し、意識を失った。神の鳥が神幣を翼に収納したことで、枉神(まがかみ)が設楽を憑依(ひょうい)させる霊力が復活した瞬間だった。だが、そんなことを岩口が知る由もない。設楽の体調が悪い…と、岩口は直観した。岩口は部長席の内線ボタンを慌てて押した。
『はい、交換ですが…』
「部長がお倒れになった!! すぐ医者をっ!!」
岩口の声は震えていた。
続