2025-11-17から1日間の記事一覧
「なんだ、まだあるのか」 中林はネルドリップコーヒーを準備する沙耶を見ながら言った。「そういうな。実はだ、沙耶をこのままマンションに置いておくというのは、どんなものかと思ってな。お前、どう思う?」「どう思う、って、それでいいんじゃないか。別…
『はあ、どうぞ…』 枉命(まがみこと)は気のない返事をした。枉神(まがかみ)が意図する枉事(まがごと)の概要がよく理解できなかったからである。『なんじゃ? よく分からぬのか? どうぞ…』 『はあ…』 この返答に枉神は、『こりゃ、だめじゃな…。豪いのを雇っ…
「どうだ、驚いたろ」「ああ、人だよ、人! あっ! 俺、中林と言います。岸田とは大学の同期で…」『ああ、それはいいんです。あなたのデータは保以上に入ってますから』 沙耶は頭を指さして言った。「本当は背中のデータ集積回路のチップだけどな。人なら、…
『儂(わし)じゃ、どうぞ…』『はいっ! 枉神(まがかみ)様でございますか?』『儂(わし)じゃ!』 枉神は自らの身が枉神なのに、枉神と呼ばれたことに怒りを覚えた。^^『はい、何か用でございましょうか? どうぞ…』『当り前じゃ! 用もなく、そなたを呼ぶな…
朝が昼となり、二時前が来た。今日は随分、一日の巡りが早い…と、保は思えた。その瞬間、中林がマンションのチャイムを押した。━ ピンポ~~ン ━ 保は、中林だ…と思った。奴は単一主義だから一度押せば二度と押さんからな…と閃(ひらめ)いたのだ。「沙耶、…
『さて、そうなると…』 枉神(まがかみ)は枉事をどのように企むか…と、ニンマリと嗤(わら)いながら悪思案を始めた。そうこうして、しばらく時が流れた。『だが…神々の妨害があるゆえ、上手くいかない可能性が高いのう。さて、どうするかだが…』 枉神は黒雲の…