2025-12-28から1日間の記事一覧
猫の場合でも一応、足と手は区別するのである。四本すべてが足のように見えるが、前二本が手、後ろの二本が足なのだ。えっ? そんなことは分かってるから話を進めろ! って、ですか? 読者諸氏、誠に申し訳ございません。 そして、小次郎は上げた右足をやん…
いつものように物置に近づいのだが、そのときすでにドラは厚かましい態度で堂々と軒(のき)下で眠っていたのである。小次郎は突然のことで驚いた。全然、現れなかったから、てっきり諦(あきら)めて近づかなくなったものと思い込んでいたのだ。突然、出く…
「そういえば、そうね…」 沙希代は素直に退却した。里山は敵の攻撃が止(や)んだので、ホッ! とした。物騒と言やぁよかったのか…と、里山は、つい口から出た言葉が成功したことで胸を撫(な)で下ろした。案ずるより産むが易(やす)し・・というやつであ…
「それも、そうだ…。まあ、適当に言うさ、ははは…」 里山は笑って逃げを打った。なんか頼りないご主人だな…と小次郎に初めて思えた。『そこまでして奥さんに隠す必要もないんですがね。僕は余り有名になりたくないんですよ、そんな先輩がいましたから…。奥さ…
どうでもいいような配線工事が行われたのは、朝の食後のことである。もちろん、里山は沙希代に詳細な話はしていなかった。 沙希代が訝(いぶか)しく遠目で見つめる中、里山は危うげながらもゴチャゴチャと動きながら脚立(きゃたつ)に乗って配線を始めた。…
沙希代が現れたとき、小次郎は素早い身の熟(こな)しで物陰に隠れ、沙希代の視線から身を躱(かわ)していた。沙希代が去ったのを見届け、小次郎は物陰から里山の近くへと戻(もど)った。「フゥ~、危ないとこだったよ。家内はこの話を全然、知らないから…
「ははは…そう言うな。ココが違うんだ!」 自慢たらしく里山は長々と続く延長コードと工夫したスイッチ板を示した。まあ、工夫のあとが見られなくもない代物(しろもの)だな・・と小次郎は即断したが、思うに留(とど)めた。ひと言でいえば、大したことは…
試作器が完成したのは存外早く、次の日の朝だった。というのも、試作とはいえ、警報ブザーのコード延長の取り付けと、小次郎用に足で押しやすくするボタン改造だけだったからで、そう工夫されたものでもなかった。「ははは…、出来た出来たっ!!」 早朝、部…
『防犯装置ってことですね?』「ああ、そうだ。ドラの場合、別に何もしないから防犯っていうほどのことじゃあない。迷惑防止装置ってとこだ。人間世界では、迷惑をかけるだけでも防止条例違反で警察 沙汰(ざた)になるとこもあるからな。ドラの奴、猫でよか…
「小次郎、あとから例の話がある…」『? はい…』 沙希代がキッチンへ戻ったあと、里山は靴を脱ぎながら小声でそう言った。小次郎も人間語で小さく返した。小次郎には里山が何について話そうとしているのかは分かる。ただ、どのようなドラを近づけない手立て…