水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

里山家横の公園にいた捨て猫<安住編> -41-

「小次郎、あとから例の話がある…」
『? はい…』
 沙希代がキッチンへ戻ったあと、里山は靴を脱ぎながら小声でそう言った。小次郎も人間語で小さく返した。小次郎には里山が何について話そうとしているのかは分かる。ただ、どのようなドラを近づけない手立てを思いついたのか? までは分からないから、気になっていた。
「先に風呂へ入る…」
 里山は沙希代にそう言うと、小次郎を手招きした。小次郎は黙って里山の尻に付き従った。里山は浴室へ入った。開いたドアから小次郎も入った。小次郎が浴室へ入ったのを確認すると、里山はドアを静かに閉めた。
『どんな手立てです?』
 小次郎はさっそく訊(たず)ねた。
「音だよ、音!!騒音装置だよ、小次郎」
『なるほど! 人じゃなく、音ですかっ!』
「そうそう。なにも人の必要はないんだ。要は、来たところで驚かしゃいいのさ」
『そうですよね!』
 小次郎は単純に得心した。
「装置は俺が作るから任せておいてくれ。な~に、機械は得意だからな。ブザーの応用さ。楽しくなってきたぞ!」
 里山は意気込んで言った。