清二郎と話しながら、岩口は考えなくてもいいのに、また考えていた。^^ 篠崎家は紙[骨太(ほねぶと)神社の神]を切る鋏[篠﨑刃物店]だと捉えれば、それなりに説明がつくからである。
「父が逝って二十年も経ちますのに、今回も来ていただけて有難いです」
「いやまあ…。父に五十年祭までは参加するようにと死に際(ぎわ)に言われてましたので…」
「そうでしたか…」
「二人の間は兄弟以上に親密だったんでしょうな…」
「かも知れません…」
岩口は口ではそう言いながら、心の内では相変わらず紙[神]を切る潜入部隊と従弟の篠崎家を捉えていた。
篠崎家が紙[神]を切る潜入部隊だとすれば、宮司である岩口にとって放ってはおけない存在となる。
『こりゃ、厄介だな…』
厄介でも何でもないのに、岩口は篠崎家を厄介な存在だ…と考え始めていた。さらに考えた岩口は、ひょっとすれば二十年祭に参加しようとしている親戚縁者の全ては、送り込まれた潜入部隊の一員ではあるまいか…と疑心暗鬼に陥り始めた。
「岩口さん、どうかされましたか?」
「いや、なに…」
曖昧に暈した岩口だったが、心境はさらに複雑化していた。お気の毒です…。^^
二十年祭は岩口の手によって執り行われ、滞りなく終わった。あとは直会(なおらい)だったが、以前の式年祭とは違い、岩口の心境は、油断がならんぞ…というトラウマ的に変化していた。益々、お気の毒です。^^
続