水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -186-

『これはいけませんぞ…。枉神(まがかみ)めが、また悪巧(わるだく)みを始めよりましたな…』
『困ったことですわ…』『ほんに…』
 天常立(あめのとこたちの)神のお言葉に、天照大(あまてらすおおみ)神と比売(ひめの)神の二柱(ふたはしら)の女神が、曇り顔で穏やかに返された。
『いよいよ枉神を懲(こら)らしめねばなりませんな…』
『もう少し模様見されては?』『そうですわね…』
 天照大神が慎重論を唱えられ、比売神が、それに同調された。
『うむ…。さように仰せなれば、もう少し、模様見致しますかな…』
 天常立神は女神達の勢いに寄り切られになられた[いつの世も♀性は強いんですねぇ~]。^^
 かくして、三柱(みはしら)の神々は、枉神を泳がせ、事の推移を見守られることになった。
 そんなことをお話になっていようとは夢にも思わない枉神と枉命(まがみこと)達だった。枉神はふたたび黒原に対して悪霊(あくりょう)を憑依させる呪文を唱え始め、枉命はふたたび下界の骨太神社と岩口家に潜入して探りを入れ始めた。
 こちらは下界の岩口家の朝である。
『それじゃ、行ってくる…』
 岩口は少し威厳めいてキッチン椅子から立ち上がると鞄を手にした。
「パパ、模型、買ってよねっ!」
「トモちゃんはお人形…」
「…ああ」
 岩口は無視も出来ず、曖昧に頷くと早足で玄関へ向かった。