『枉神(まがかみ)様、枉神様、どうぞ…』
焦(じ)れた枉命(まがみこと)は、ついに待ちきれず、枉神にテレパシー送った。
『ああ、儂(わし)じゃ、どうぞ…』
『枉神様、そろそろ如何でしょう?』
『いや、それがな…。まだよい策が浮かばんのじゃ、どうぞ…』
『それは困ります。いつまでも黒原さんに指示を与えないと、この先、どうなるか分かりません、どうぞ…』
『どうなるか分からん、とはどういうことじゃ、どうぞ…』
『黒原さんが動かし辛くなります、どうぞ…』
『何を申すっ! 儂が憑依させたのだぞっ! 儂の霊力がそれほど弱いと申すのかっ! どうぞ…』
『いや、決してそのような…。ただ、黒原さんにも生活がありますので。どうぞ…』
『それは確かにそなたが申すとおりじゃ。骨太(ほねぶと)神社と黒原の神具店はかなりの距離があるからのう、どうぞ…』
『そのとおりでございます。特急列車が必要な距離でございますから、どうぞ…』
枉神と枉命のテレパシーの交信は続いた。
続