水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -225-

『そなたが申すとおりじゃ。儂(わし)としては少し考えが稚拙(ちせつ)じゃったかのう、どうぞ…』
『いえ、決してそのような、どうぞ…』
『急いでおるようじゃのう。何かそなたに妙案などあるかな? どうぞ…』
 枉神(まがかみ)は枉命(まがみこと)に下駄を預けた。
『私のようなものが僭越(せんえつ)とは存じますが、一つ考えがございます、どうぞ…』
『おお、そうかっ! 是非、聞こう。どうぞ…』
 枉神に枉事(まがごと)の妙案が浮かばないのは道理で、天常立(あめのとこたちの)神が神幣(かみぬさ)の霊力で枉神のよからぬ謀(はかりごと)を封じていたからである。だが、枉命にはその霊力が及んでいなかった。草刈機で草を刈っても、根が残っていれば効果は・・という現象によく似通っています。^^
急がば回れ・・という格言がありますが、ここは搦(から)め手から強固な三竦(さんすく)みを崩す、というのはいかがでしょう? どうぞ…』
『搦め手から? よく分からぬ。詳しく申せ、どうぞ…』
『直接ではございませんが、岩口家の弱点を見つけるのでございます。どうぞ…』
『岩口家の弱点か? どうぞ…』
 枉命は詳細を語り始めた。