その映像を目にしたとき、しまった! と保は思った。間違いなくそれが大磯の別荘に保管してある飛行車であり、操縦は紛れもなく沙耶であると判断できたからである。社内に三井が乗っていることは分からなかったが、沙耶が残した書置きを読めば大よそのことの推移は推し量れた。だが、1%もそうなることを予想していなかった保だったが、ようやく落ち着きを取り戻しつつあった心中に、またしても不安が過ぎり始めたのである。そのとき、胸ポケットの携帯がなった。
「おう! 保か。わしじゃ…」
疑うべくもなく長左衛門の声だった。
「なんだ、じいちゃんか…」
「なんだとは偉い言われようじゃのう、ほっほっほっほっ…」
「どうかしたの?」
「お前の方は何か変わったことはなかったか?」
「んっ?! いや、まあ…」
怪獣長左衛門は侮(あなど)れないから、保は暈すことにした。
「じつはのう…。三井が忽然と消えてしもうたんじゃ。お前とこにいる沙耶さんは元気かのう?」
「あっ、ああ…沙耶さんか。沙耶さんは実家へ帰ったよ、事情があってさ」
「そうじゃったか、やはりのう…」
保の話にピン! ときたのか、長左衛門も暈した。