
「やはり、その物質による汚染、ってことでしょうか?」
「ははは…、放射能じゃないんですから…」
二人は顔を見合わせて笑い、幽霊平林も陰気な陽気さで加わって笑った。
「冗談は、さておいて、解決策とかあるんでしょうか?」
「それなんですがね。私自身もこんな状態になってますし、なんとかせにゃならんと思ってるんですが…」
『手っとり早いのは、ゴーステンを弄(いじく)らなけりゃいいんじゃ…』
「君なあ…、そんな消極的なこっちゃ困るぜ!」
「えっ?」
「いやあ、平林君がゴーステンから遠ざかれば問題は解決するんじゃないかと…」
「ははは…、まあ私としてもそうはしたいところなんですが、霊動学者としては、出来んですなぁ~。研究自体から遠ざからにゃいけません。学者をやめるなら、話は別ですが…」
「そりゃまあ、そうです」
上山は頷(うなず)き、幽霊平林も同調して頷いた。
「ゴーステンを配合して、このざまですが、やはり一定の配合率に原因はあるようです」
『僕は止まれりゃ、どうこうはいいませんから、よろしくお願いします』
「教授、平林君が止まれればいいから、よろしくと申しております」
「はあ…、なんとかなるよう努力してみましょう。しばらくかかるかも知れませんが…」
かれこれ一時間以上も話し、すでに昼前になっていた。
「あら、お帰りざ~ますか? またお越し下さ~ましね」
「はい、孰(いず)れまた…」
夫人は、ざ~ます言葉で上山を送った。
上山が外へ出たとき、幽霊平林は、外壁を透過して現れた。