
「落ちついたとは?」
「はい。彼は興奮したとき、青火が灯るシステムになっているようなのです」
「システムか…。上手く云いおるのう。まるで、ここにある霊動探知機と同じではないか、ハッハッハッ…」
滑川(なめかわ)教授は珍しく大笑いした。
「その平林とかは今、ここにおるんだな?」
「ええ、私のすぐそばに。青火が灯っていたすぐ真下です」
「ほお、そこにのう…。で、私には姿や声は見聞き出来んが、君には出来るという訳か?」
「はい、そのとおりです」
『そうですよ、教授。僕は教授に生前、何度もあったんですから』
「そうだよな」
「んっ? どうだと云っとるんだ」
「生前、教授に何度も会った、と申しております」
「そうか…、生前にのう。安眠枕の頃だな?」
「はい、そうだと思います。それ以前や以降は教授と我が社の接点はありませんから…」
「まあ孰(いず)れにしろ、その土を心霊学の見地から研究材料にしよう。今までは、この霊動探知機内のゴーステンでしか見ておらんからのう。しかも、ゴーステンは、この土を使って加工されたものじゃからなあ」
「そういうことです…」
「ところでこの土は、佃(つくだ)君のところへ持っていったのかね?」
「いえ、まだです…」
「順序としては、心霊学の私より霊動学の佃教授だろうが、普通は」
「はあ、それはそうなんですが、佃教授には、もう私と平林君のことは云ってありますから、話は認識されておられると思います…」