水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

2025-10-30から1日間の記事一覧

代役アンドロイド -133-

『はいっ!』 沙耶の素直な返事は人間的で、若い女性としては、なんの違和感もなかった。保は両脚のスイッチをONにした。「よし! とりあえず何周か回ってくれ。あとは君の自由に任せる!」「分かりましたっ!」 答えると同時に保は動き出した。最初の一、…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -233-

『なるほど…、岩口さんは魚の定食が好きなんだな…』 二人の遣り取りを傍近くで聴いていた枉命(まがみこと)はひと声、呟いた。無論、その声が二人に届くはずはない。枉命は、さっそく枉神(まがかみ)にテレパシーを送ることにした。『枉神様、枉神様、どうぞ……

代役アンドロイド -132-

「なにぶん、機械マニアだもんで…。ここへは来るな、って言っておいたんですが…」「まあ、いいじゃないか…」 但馬も右へ習え、で教授に従った。梱包(こんぽう)を解いて、自動補足機を出しながら後藤が振り返った。「教授、岸田君に渡しますか?」「ああ、…

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -232-

「おばちゃん、いつものA定は?」「悪いね、岩口さん。今日は魚が入らなかったんですよ…」 食堂の賄婦をしている顔馴染の笠茸恵子が岩口に言い訳をした。「何かあったんですか?」「いつも入荷してくれる運送トラックが道路渋滞で今日は無理だって言ってき…