「なにぶん、機械マニアだもんで…。ここへは来るな、って言っておいたんですが…」
「まあ、いいじゃないか…」
但馬も右へ習え、で教授に従った。梱包(こんぽう)を解いて、自動補足機を出しながら後藤が振り返った。
「教授、岸田君に渡しますか?」
「ああ、そうしてくれたまえ。岸田君、この前のように、ひとつ宜しく頼むよ」
「ああ、はい…」
保は後藤から自動補足機を受け取ると、靴のままスッポリと中へ挿入した。
「この前の温度変化はどうだった? 蒸れたかい?」
「いや、そうでもなかったです。短い時間だったからかも知れませんが…」
「うん、そこが課題だろうな。長時間、快適に装着可能か、だ…」
教授は腕組みをした。但馬は計測機器の準備を終え、スタンバイした。
「いつでもOKです、教授」
「そうか…。但馬君の方は大丈夫なようだ。じゃあ、岸田君、始めてくれるか。お嬢さん、少し後ろへ下がりましょうか」