『なるほど…、岩口さんは魚の定食が好きなんだな…』
二人の遣り取りを傍近くで聴いていた枉命(まがみこと)はひと声、呟いた。無論、その声が二人に届くはずはない。枉命は、さっそく枉神(まがかみ)にテレパシーを送ることにした。
『枉神様、枉神様、どうぞ…』
枉神が枉事(まがごと)の策を考えている最中に入った枉命からのテレパシーだったから、枉神は少し怒れた。
『なんじゃ!! いい策が浮かんだ矢先にっ! どうぞ…』
『申し訳ございません、岩口さんは魚料理が好きなようです、どうぞ…』
『魚料理? それが三竦みを崩す潜入策と、どう関係があると申すっ! どうぞっ!』
『まあ、直接、関係はないとは思いますが、一応、お知らせを。どうぞ…』
『馬鹿者っ!! 直接関係がある岩口の行動を探れっ! どうぞ…』
『どうも、すみません…』
枉命は枉神に叱責され、すぐテレパシーを切った。
『困った奴じゃ…』
冷静さを取り戻した枉神だったが、浮かんでいたいい枉事をすっかり忘れてしまっていた。枉事がいい訳はありません。^^
続