「今年も晴れますかね…」
「さあ、どうなんでしょう。神様から直接、お聞き出来ればいいんですが…」
「宮司でも分かりませんか?」
「ははは…私は、あなたと同じ只(ただ)の人間ですから…」
「いやいや、フツゥ~の我々とは違うと思うんですが…」
「いやいやいや、まったく違いません。昭和天皇様でも敗戦後は人間宣言されたくらいですから…」
「カリスマ性はあるように思うんですがね…」
「ははは…公務員を兼業にして働くフツゥ~の町民ですよ」
「確かに…よく考えれば、宮司も職業になりますか?」
「そうです、おっしゃる通りっ!」
「お茶でも…」
そのとき、美登里がお茶と菓子鉢を盆に乗せ、社務所に現れた。
「あっ! 奥さん、もうお構いなく…」
美登里が去ったあと、二人はウダウダと数時間、世間話をした。氏子総代の切川の家が骨太(ほねぶと)神社の境界を挟んで住まいが隣(となり)ということもあった。
続