水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

代役アンドロイド -68-

 保は二人の行動を遠目で見ながら、俺の出番かな…とは思ったが、横にいる但馬が気になった。余計なことで介入し、また但馬の面子(メンツ)を損(そこ)ねては…と思えたのだ。だから、まずは搦(から)め手から入ろうと結論を出した。
「但馬さん、どうだったんですか? あの後(あと)は…」
「んっ? ああ…。どうも修理が上手くいかなかったようだな…」
「但馬さんならOKなんじゃないですか?」
「ははは・・まあ、なあ…」
 但馬はヨイショされ、気分がよくなった。
「やって下さいよ。後藤じゃ無理ですよ」
「…そうだな」
 但馬も沙耶が見ている手前、恰好よく見せたかったのか、いつもの但馬ではなかった。
「じゃあ、少し見てやるか。どれどれ…」
 渋々、重い腰を上げると、但馬は教授と後藤がいる場へ向かった。保はそれを見ながらシメシメと舌打ちした。そして沙耶にウインクした。沙耶にも二人の会話は聞こえていたから小さく笑った。笑い顔に違和感はなかった。
 保には、もう一つの期待がある。というのは、出来ればトラブルが再発し、強力電磁波が放出されないでもないからだ。首尾よく但馬が、ちょっかいを出し、トラブれば、これはもう、御の字に尽きる。