水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -162-

「いかがでしょう?」
「私の口から申していいかどうかは分かりませんが、確かに一面識もない人達を御父上の式年祭にお呼びするというのも妙といえば妙な話です…」
「父が逝ってからすでに二十年が経過しているのに、招待状を出したからといってやって来るというのも変じゃないですかね」
「それは言えます。ある意味、厚かましいですよね」
「どうすれば、いいでしょう?」
「岩口さんの面識がある方だけお呼びされれば如何でしょう」
「と、言いますと、私の面識がある方だけ招待状を出すということでしょうか?」
「ええまあ、そうなりますかね。面識のない遠い親戚の方はお出しにならないでもいいのでは…」
「そういう人達が潜入部隊ということでしょうか?」
「ははは…骨太神社の神様方をシャキシャキと切り刻む鋏とは限らないとは思いますが…」
「次の式年祭から、そうしてみますか…」
「はい、そうなさってみては…。鋏の私が言うのもなんなんですが…」
 いつの間にか切川も三竦(さんすく)みの話を真に受けていた。

                  続