水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -203-

『私めは、この後(のち)、いかが致しましょう? どうぞ…』
 神の鳥は、ご自分で神とお言いかっ! …と怒れたが、とてもそんなことが言える訳もなく、思うだけにして訊ねた。
『今までどおり、このまま枉命(まがみこと)と黒原の行動を探り、逐一(ちくいち)、報告すればよい。おそらくは枉神(まがかみ)や黒原には骨太(ほねぶと)神社に由来するあの古文書(こもんじょ)は分からぬとは思うが…、どうぞ…』
 天常立(あめのとこたちの)神は厳かな物言いでテレパシーを神の鳥に送った。
『分かりましてござりまするぅ~~』
 神の鳥はテレパシーを送り返し、天常立神との通信を絶った。
 ふたたび、神の鳥は枉命の行動を書庫の天井裏から見張ることにした。
 骨太神社の書庫では、枉命に指示された黒原が、埃(ほこり)に塗(まみ)れながら調べていた。
『いったい、その古文書はどういったものなんでしょう? どうぞ…』
 鼻と口をハンカチで蔽(おお)いながら、黒原はすぐ傍(そば)にいる見えない枉命にテレパシーを送った。当てもなく古文書を探すのは、とてもかなわん…と思ったからである。
『いや、それは私にも分からぬのじゃ、どうぞ…』
『そんなっ! どうぞ…』
『今、枉神様に訊ねる故(ゆえ)、しばしお待ち下されぇ~、どうぞ…』
 枉命はテレパシーで偉そうに言い放った。^^