水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策  -236-

『女神様方に、そこまで言われては…』
 天常立(あめのとこたちの)神はお照れになり、少し顔を紅潮された。
『何かお有りでございますか? どうぞ…』
 テレパシーが途絶えた神の鳥は訝(いぶか)しげにテレパシーで訊ねた。
『おお、そうであった。こちらから指示する故、そのまま枉神(まがかみ)の動きを探れ。動きがあれば、知らせるのじゃ。どうぞ…』
『分かりましてござりまするぅ~~。枉事の内容が分かり次第、お知らせいたしまするぅ~~。どうぞ…』
『そのように致せ。どうぞ…』
『ははっ!』
 テレパシーの遣り取りが途絶えると、神の鳥は嘴(くちばし)に銜(くわ)えた神幣(かみぬさ)を軽く上下させた。こうすることで、枉神の心理の動きが読み解けるのである。そうとは知らぬ枉神は、人事で観光物産課から他の課へ異動させ、安定した仕事ぶりを阻害する算段をしていた。
『異動の人事を進めるには、部長やそれ以上の役職の者に憑(つ)かねばならんな…』
 憑くとは、早い話、心理の教唆(きょうさ)だった。