一方、こちらは黒雲の上で考える枉神(まがかみ)である。枉神は半ば、諦(あきら)めていた。と、そのときだった。
『枉神様、申し上げますっ! 』
足がないからバタバタするではなく、スゥ~~ッと近づいてきた側近の僕(しもべ)が慌てながら近づき、枉神を窺った。
『どうしたというのじゃ! 落ちつかぬかっ!』
『ははぁ~! 枉神様を追放しようという反動分子が旗を上げた旨の知らせが入りましてござりまするぅ~~』
『なにっ!! この儂(わし)に反旗を翻(ひるがえ)したと申すかっ!!』
『ははぁ~~。畏(おそ)れ多きことながら、さようにござりまするぅ~~』
まさに、枉神陣営に異変が起きようとしていた。新たな枉神のリーダーになろうと、反動分子が革命を起こしたのだ。枉神は長く独裁体制を維持してきたが、それが崩れようとしていたのである。ロシア革命ならぬ枉神革命が起き始めたのである。^^
『ううむ…。この儂としたことが迂闊(うかつ)じゃった…』
枉神は静かに両の目を閉ざした。
『いかが致しましょうっ!?』
『是非に及ばず…。守りの霊はいかほどおるっ!!』
『数百霊ばかりにござりまするぅ~~』
『分かったぞよ。迎え撃とう…』
枉神は奮い立った。多勢に無勢であることは、当の枉神にも分かっていた。テレパシーで枉命(まがみこと)に増勢を命じても今からでは遅過ぎることは明々白々だった。枉神は寄せ手が攻め込めないように身の回りの防備を始めた。
反乱分子が枉神を襲ったのは、それからしばらく時が流れてからだった。
続