『どうも岩口さんが妙な具合ですな…』
『妙な具合とは、どういうことでしょう? 天常(あまとこ)様…』
天照大(あまてらすおおみ)神が訝(いぶか)しげに天常立(あめのとこたちの)神をお窺いになった。
『そうですわ、もうすこし分かりやすくい仰せになって下さいましな…』
比売(ひめの)神も天照大神に同調された。二柱(ふたはしら)の女神様に催促されては天常立神も説明しない訳にはいかない。
『見てみなされ。外見と動きはいつもの岩口さんと少しも変わられていないように見えますな…』
『はい、確かに…』『確かに…』
『ところがですな。ほれ、あのように…』
天常立神が眼(まなこ)を閉じられテレパシーを神の鳥に送られると、あら不思議、天(あま)の雲の神鏡に映し出されたのは岩口に重なる枉神の姿だった。
『あら、まあっ!…』『まあ…!』
二柱の姫神は驚かれ、笑顔をお曇らせになった。
『まあ、そういうことです…』
天常立神はにこやかな笑顔で微笑まれた。
続