『って、…三井ね?』
「ああ…。そっちは沙耶に任す」
『OK! 分かったわ』
時を同じくして、長左衛門達を乗せたタクシーが保のマンション前で停まった。
━ ピンポ~~ン ━
「来たか…」
保は、ぽつりと呟(つぶや)くと椅子を立ち、玄関ドアの方へ向かった。ドアレンズには紛れもなく長左衛門達が立っていた。
「やあ、じいちゃん、来ると思ったよ」
「そうか? 長居をするつもりはないが、この三井のことを詳しく紹介しておこうと思おてな…。こいつは、どうも沙耶さんと話したがっておるようじゃが…。ほっほっほっほっ…」
長左衛門は豪快な笑いで一蹴(いっしゅう)した。
『いえ、そんな訳でもないのですが…』
アンドロイドに照れるという感情の起伏はないが、三井は現在に至るデータを分析し、正確な情報を口にした。
「ははは…。まあ、立ち話もなんだから、上がってよ」
保は場を和まそうと話を切った。
「おお! では…」
長左衛門が先頭を切って上がり、続いて里彩、三井が続いた。三井の思考回路は、すでに保にはなく、沙耶への対応に向けられていた。その沙耶はキッチンに立ち、料理を作っていた。三井が100%アンドロイドであることを確認するための下地である。三井は、ほぼアンドロイドだろう・・と沙耶は感じていたが、まだ確証は得ていなかったからだ。