とはいえ、その合格認定は、保と沙耶の二人? の間だけで成り立つことで、世間で通用する資格などではなかった。
「どうだ? 今日は俺の研究室へ行ってみないか?」
思いつきでもないのだろうが、保は唐突に言った。
『私は、いいけど…。研究のお邪魔にならない?』
「その心配はないんだ。自動補足機も完成のメドがついたからな」
『自動補足機?』
「ああ…。沙耶には言ってなかったかな」
『知らない…。私のような機械?』
「ははは…。沙耶に比べりゃ、赤ん坊みたいなもんだ」
『ふ~ん』
沙耶はあまり興味を示さず、朝食の準備を始めた。
「沙耶の最終試験さ。研究室の連中が気づかなければ、まあ普通に出歩いても大丈夫だろ?」
『それは、そうね。私って違和感ある?』
「いや、俺の目には普通の女に映るけどな。要は、相手がいた場合、どうかってことさ。研究室はメカの専門家ばかりだからな。中へ入って、俺が紹介する。で、適当に会話して、教授や他の連中が怪しまずに出られればOKということだ」
『私は保のどういう設定? 』
「田舎の従兄妹が上京してきた・・ってとこだ」