水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -178-

 黒原が担ぎ込まれた切川クリニックである。黒原はすぐにストレッチャーから降ろされ、集中治療室へと搬送された。
「意識がありませんっ!」
「プルスはっ!?」
 切川が鋭い声で訊ねる。
「正常です…」
 女性看護師がベッドサイドモニターの数値と波形を確認しながら、やや大きめの声で返した。
「先生!? どうでしょう?」
 砥石が切川を不安げに窺う。
「君はどう思うんだ?」
「はあ、一過性の立ち眩(くら)みか、とは思われますが…」
「意識が戻らないという点は?」
「はあ…それが何故か、分かりません」
脳梗塞の可能性は?」
「ないと思われます…」
 切川は砥石の返答に、軽く頷いた。