水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

代役アンドロイド -89-

 四人? は、スタンド下部にある回廊で止まった。
『ここですか?』
「はい、トレーニングセンターの一部で、走路として使用されてるんです。まあ見ていて下さい。じゃあ、君達、機材を置いて、梱包を取りなさい」
 三人は計測機材を下ろして準備し、自動補足機の梱包を取った。沙耶は教授に言われたとおり、ただ見ている。
「いずれは、これで空中移動できる形を目指しているんですよ、お嬢さん」
 教授は沙耶に語りかけた。
『それは可能になると思います。姿勢安定力と推進力、それに揚力の問題さえ解明なされれば…』
「いやぁ~参りましたな。かなりの博学でいらっしゃる」
『いいえぇ~、保も言ってましたが、ただの下手の横好きですわ』
 沙耶は表情システムの愛想笑いを選択して、ほほほ…と笑った。
「教授、準備が出来ました!」
 後藤が力強く言い切った。
「そうか? 但馬君、大丈夫かね。念のため、もう一度、見ておいてくれ。そう何度もデータを取りに、ここへは来れんからな」
「そうですね、分かりました」
 但馬は後藤の準備した計測機器の配線を、もう一度、点検した。
「OKです…」
「そうか…。じゃあ、岸田君、履いてくれ」
「はい」
 保はスニーカーを履いたまま自動補足機にスッポリと両脚を入れた。