水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -213-

『神の鳥よ、黒原が見つけおったぞ。そなたが嘴(くちばし)に銜(くわ)えておる神幣(かみぬさ)に霊気を送るゆえ、神幣を軽くひと振りするのじゃ!』
『分かりましてござりまするぅ~~』
 そうテレパシーを送り返すと、神の鳥は軽くひと振り、ふた振りと首を上下に振った。すると、あら不思議、縁起絵巻に書かれていた絵が消滅したのである。
「んっ! こ、これは…」
 ほんの今まで見えていた絵巻物の絵が忽然と消えたことに黒原は驚いた。
『え、絵巻物の絵がき、消えましたっ! どうぞ…』
 黒原は慌ててテレパシーを枉命(まがみこと)に送った。枉命はそのとき、枉神(まがかみ)へテレパシーを送ろうとしていた矢先だった。
『ええっ!! き、消えたのですか? ど、どうぞ…』
 枉命は驚きの余り、言葉を噛んだ。
『い、如何しましょう? どうぞ…』
『そのことも含め、枉神様に連絡Iします、しばらくお待ち下さい、どうぞ…』
『分かりました…』
 黒原は力なく返した。