水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -231-

『そうか…。岩口は数に弱いのだな、どうぞ…』
『断定は出来ませんが、どうもそのようで。どうぞ…』
『分かった。とにかくそのまま見張りを続けよ。何か良き策を考えてみよう、どうぞ…』
 良き策とは良い策ではなく、悪さの枉事(まがごと)である。^^
『ははっ! 他にも弱点らしきことが見つかりましたら、また連絡を致します。どうぞ…』
『ああ、そうしてくれ。どうぞ…』
 枉命(まがみこと)はテレパシーを送り終えると、ふたたび岩口の仕事ぶりを見張り始めた。
 一時間ばかりがして昼の休憩を告げるチャイムが流れた。
「昼か…。餅尾さん、休んで下さい…」
 岩口は餅尾弥希(もちお やき)なのに餅尾弥希(もちお みき)と自称する餅尾に声をかけた。
「はい…。もう少しで区切りがつきますから…」
「そう…。じゃあ、先に休ませてもらうよ」
「どうぞ…」
 岩口は課長席を立つと食堂へ向かった。

※ 戸籍法が改正され、氏名にルビを振るようになったらしいですが、漢字は種々に読めるのが本来の字義ですから、自由に読めることへのコンプライアンスの強化は余りよくないように思います。ただし、考え方には個人差があります。^^