枉命(まがみこと)は自身の能力のなさに少し項垂(うなだ)れながら返した。
『そなたの業(わざ)は、それほどのものか?』
『いえ、決してそのような…』
『それは、そうであろう。この儂(わし)が枉命(まがみこと)候補の中から選任したのじゃからのう…』
『はい…』
『それにしても妙じゃな。そなたの業が効かぬということは…』
枉神(まがかみ)は、しばらく考えた。
『枉神様、枉神様っ! どうぞ…』
『やかましいわっ!! いま、その訳を考えておるのじゃ、どうぞ…』
『そうでござりましたか。それはどうも、申し訳ござりませぬ、どうぞ…』
『まあ、いい…。しばし、待ていっ! どうぞ…』
枉神には、やはり骨太(ほねぶと)神社の神々の為せる業としか思いつかなかった。
『とすれば、やはり神々の手が及ばぬ黒原を動かすしかないのか…』
枉神は枉事(まがごと)の新しい策略を考え始めた。
続