水本爽涼 歳時記

日本の四季をベースにした小説、脚本、エッセイetc.の小部屋です 

コメディー連載小説 三竦(さんすく)みが崩れた岩口家の危機打開策 -285-

 理由は判明しなかったが、ともかく、枉神(まがかみ)の危険は去った。さて、そうなると枉神も落ち着きが戻り、岩口に対する枉事(まがごと)の企みをふたたび進められることになる。枉神は、思い描いた新たな策により、黒原を利用することで岩口を乱す枉事(まがごと)を実行することにした。
『枉命(まがみこと)、儂(わし)じゃ、どうぞ…』
 枉神は枉命にテレバシーを送った。
『ははぁ~~! 今か今かとお待ち申しておりました。連絡が途絶えておりましたが、何かあったのでござりまするか? どうぞ…』
『なぁ~~に、少し急ぎの用向きがあってな、どうぞ…』
『そうでござりましたか。で、何用でござりましょう?』
『岩口の探りは取りやめ、これからただちに黒原のところへ向かい、そなたの業(わざ)で黒原を動かすのじゃ。黒原は儂(わし)が憑依(ひょうい)させ、霊動させやすくしてある、どうぞ…』
『了解致しました、どうぞ…』
『そなたに何が起ころうと、当方は一切関知しないからそのつもりで…。成功を祈る。どうぞ…』
『ははっ!!』
 枉命はテレバシーを切ると、ただちに岩口の職場からスゥ~~と消え、黒原がいる黒原神具店へまたスゥ~~と現れた。
 黒原は仕事中で、神具の製作に余念がなかった。