その後、課員達が続々と出勤してきたとき、岩口は課内の異変に気づかされた。課員全員が明るいのである。中には鼻歌をハミングする職員もいた。岩口は何かあったのか…と最初は思った。ところが、別にこれといった変化もなく昼過ぎになった。
岩口が食堂の配膳前で、いつものA定食を頼んだとき、課長補佐の鉄棒が明るく近づいてきた。
「あの…課長、ちょっと、よろしいでしょうか?」
「はい、何ですか?」
「職員達が課長の新任歓迎会をやろうと言ってるんですが、ご都合は?」
「えっ!? 私の、ですかっ!?」
岩口は昨日までと急変した課内の雰囲気に戸惑った。まさか自分の歓迎会は…と思っていたのである。
「ええ、まあ…」
「そうですか…。では、そのように職員達に言っておきます。日時は改めて…」
鉄棒はそう言うと、テーブルへ戻り、食事を続けた。
食堂の賄婦をしている顔馴染の笠茸恵子が、そんな鉄棒を見て岩口にボソリと言った。
「ほんと、どうしたんでしょうね、健康福祉課の方々…」
「ですよね…」
疑問に思うのは岩口も同感だった。
続