職場が明るくなったことで岩口が働きやすくなったことは確かである。。むろん、新しい課の職務は一から覚えねばならなったが、他の職員とは異なり、住民と直接、対峙することは稀(まれ)だったから、岩口としては大いに助かった。
『これでは、とてもじゃないが…』
岩口を探る枉命(まがみこと)は、課の様子を見ながら深い溜め息を吐(つ)いた。
『枉神(まがかみ)様に、いい手立てを早くお考え願わねば…』
枉命は少し焦(じ)れていた。岩口の職場に仕掛けた業(わざ)が通じなかったこともある。
その様子を骨太神社の神々は神鏡を通して見ておられた。
『やれやれでございますな…』
天常立(あめのとこたちの)神はニンマリと安堵の笑みを浮かべられた。
『ほんに…』『ようございました…』
二柱(ふたはしら)の女神は、お笑いになられながら頷かれた。
『枉神のことゆえ、まだ、油断は出来ませぬが…』
『さようでございますわね…』『そうですわ…』
異口同音に、女神達はふたたび天常立神に同調された。
続